2009/10/31

燻る老い -若さ売ります-






          そりゃあ
          ほしいわよ
          あたしだって。


          クレオパトラや楊貴妃じゃなくたって
          秦の始皇帝じゃなくたって
          不老不死の秘薬があると聞けば
          命を賭して探しにゆくかも知れないわ。


          だけど だけどね。


          もしそれがあるとしたら
          そこはきっと
          侵してはならない
          神聖な地なんじゃないかしら。


          世界の果てまでかき分けて
          神聖な地をも踏み散らして
          血眼になって探し回っているのは
          若返りの妙薬なのね いつの時代も。

      
          若さ売ります。
          若さ売ります。


          あたしを誘う 惑わす 引きずり込む。


          もう いいのに・・・
          もう いいのに・・・


          欲望の果てに求めるものはやっぱり若さ?


          ああ もう 懲りない性・・・  人の性・・・
  燻(くすぶ)る 老い。

          

 









2009/10/29

マイケル。。。






          才能と
          葛藤の
          狭間で
          あなたが
          見たものを
          私は知りたい。


          「怯え
ること」 の
          その正体を私も知りたい。
  
 

          マイケル・・・


          心の闇さえ闇の中。


          真実なんて
          所詮誰にもわからない。


          マイケル・・・


          人はそれでも
          生きなければならないの?


          あなたが遺した啓示は重い。


          マイケル・・・


          煌く才能は永遠にあなただけのもの。












眠れる嵐。。。






          嵐は去ったわ
          10年前に


          癒しもせず
          癒されもせず
          月日は巡っていたわ 眠れる嵐


          目覚めは
          銀色の舟に乗って遥か彼方から 眠れる嵐
          












2009/10/28

逆らい花。。。






          逆らい花が咲いた
          また咲いた


          しっかり埋めたはずなのに
          あら
          また芽を出している


          あらあら
          それは駄目でしょう


          深く埋めてしまいましょう
          コンクリートで蓋をして

          









2009/10/25

曼珠沙華。。。






          夢だからいいでしょ。
          
好きに咲いてもいいでしょ。

          今日はすみれ。
          明日はれんげ。



          毒の花ってなぜかきれい。
          毒の花ってなぜか真紅い。

          今日はダリア。
          明日は明日は
曼珠沙華。












2009/10/24

踊るるすずめ。。。






          逃げました。

          逃げました。

          それでも
          それでも

          逃げられませんでした。
          逃げられませんでした。

          だから
          だから
          生きてみました。

          踊るるすずめ。











2009/10/21

懐かし色に・・・






         立ち昇る


         野焼きの煙の色は涼やか


         ふと遊ばせし心の色は

         あれは幼き少女の日


         懐かし色に

         懐かし色に


         染まりゆくは若き日の父










剥離の翳。。。





          寄り添えば

          寄り添うほどに

          忍び寄る

          剥離の翳の濃さに怯ゆ。






2009/10/10

叶うなら・・・






          叶うなら

          石の棲み家に身を潜む

          うすきすみれの二輪になりたい










2009/10/06

コバルトの涙。。。





           そんなに哀しい色をして 

           罪のように誘うのね。 
             

           コバルトは泣きました。
           罪の深さを泣きました。


           その青が乱すのよ。
           青が青が乱すのよ  私の心を乱すのよ。

              
           石の雫は泣きました。
           罪の深さを泣きました。


           青が青が青が


           その青が   
           ああ その青が・・・  その青が・・・ ・・・ 


              










澱色の涙。。。





     つりばりぞ そらよりたれつ
 まぼろしの こがねのうをら
     さみしさに  さみしさに  そのはりをのみ

                              -山村慕鳥 いのり-







            澱色おりいろの涙、、、


            さびしさゆえ
            あなたが呑んだのは
            さびしさゆえ
            釣られてしまった愚かな女。

            さびしさゆえ
            さびしさゆえ

            重ねてしまった冷たい手。

            明日に心を重ねない
            呑まれた女の哀しみは
            こころの底に溜まるのよ。
            ぽろぽろぽろぽろ溜まるのよ。

            澱色の涙、、、
            こぼれない涙、、、
            だからあなたは知らないの。